写真:大久保さんがイチゴを両手に持っている様子

県内就農者紹介

就農支援センター社会人課程研修生受講

出身地:新潟県前職:警備関係・会社員

未経験から始まった、イチゴ栽培への挑戦

大久保さん

農業をはじめたきっかけは何ですか?

写真:大久保さんがイチゴを観察している様子

きっかけは、趣味でやっていたオンラインゲームです。そこで出会った友人が、和歌山でキャベツ農家をしていたんです。私はもともと新潟県で会社員として、警備関係の仕事をしていました。中間管理職でもあったのですが、正直なところ自分の性に合わないと感じていて。そんな中、その友人から農業の話をいろいろ聞くうちに、「自分で考えて、自分のペースでできる仕事っていいな」と思うようになりました。最終的にはその友人と「一緒にキャベツをやろうか」という話になり、家族で和歌山に引っ越すことを決めました。

キャベツではなく、イチゴ農家として就農した理由は?

写真:大久保さんがイチゴを掌にのせている様子

農業はまったくの未経験だったので、まずは基礎から学ぼうと県の研修施設に通いました。御坊市の就農支援センターで約9カ月間、季節ごとの野菜や果物、花の栽培について一通り教えてもらったんです。その中で、天候の影響を受けにくいハウス栽培に魅力を感じるようになりました。作物はトマトとイチゴで迷っていたのですが、初めて和歌山県のブランドイチゴ「まりひめ」を食べたとき、そのおいしさに衝撃を受けて。酸味の少なさ、甘みの強さに感動して「これを作りたい」と気持ちが固まりました。

和歌山県での暮らしはいかがですか?

和歌山は、とにかく気候があたたかいところがいいですね。以前は新潟の雪深い地域で暮らしていたので、冬の雪かきが本当に大変で。その苦労がないだけでも、かなり暮らしやすくなったと感じています。それに、気候だけでなく人もあたたかいですね。バス停で待っていると、知らない方から気さくに話しかけてもらうこともあって、最初は少し驚きましたが、今ではそれが心地よく感じられます。

就農準備について

写真:大久保さんが話をする様子

相談できる友人はいたものの、自己資金も農業経験もまったくない状態からのスタートでした。しかも県外からの移住者で、実績もなかったので、最初は土地探しにかなり苦労しましたね。周囲の方々の協力もあり少しずつ道が開けました。ハウス栽培は設備に初期費用がかかりますが、県や市のサポート制度、補助金を活用できたことで、最終的には12アールという規模でイチゴ栽培をスタートすることができました。

就農する上で役に立ったサポート制度はありますか?

一番助かったのは、新規就農者向けの支援制度ですね。農業を始めるにあたって必要な資金を無利子で借りられる「青年等就農資金」、経営が軌道に乗るまでの間、最大3年間にわたって支援を受けられる「経営開始資金」などを活用。こうした制度のおかげで、安心して一歩を踏み出すことができたと思っています。また、生産者同士で学べる勉強会や、振興局の親身なサポートがあるのも心強いですね。和歌山は新しく農業を始める人へのサポートがとても手厚いと感じています。

イチゴ栽培に取り組んでみていかがでしたか?

写真:大久保さんがパッケージされたイチゴを両手に持っている様子

実は栽培を始めた当初、株が炭疽病にかかってしまって。苗ができないと何も始まらないので、正直かなり絶望的でした。そんなときに助けてくれたのが、就農支援センターでの研修先でお世話になった「とちのいちご園」さんです。和歌山市でもトップクラスといわれるまりひめ栽培の師匠に的確なアドバイスをもらい、なんとか立て直すことができました。そういった支えのおかげで、軌道に乗るまで5年はかかるといわれるイチゴ栽培ですが、1年目から納得のいくまりひめを収穫することができました。

農業のやりがいはなんですか?

写真:イチゴのパッケージに貼られているクマのキャラクターシール

一番やりがいを感じるのは、やっぱりイチゴの栽培がうまくいったときですね。炭疽病や虫の被害など、これまでいろいろなトラブルに向き合ってきましたが、原因を考えながら試行錯誤を重ねる中で、少しずつ自分なりに成長している実感があります。そうして納得のいくイチゴができあがり、ハウスの近くに設置している自動販売機で購入された方から「おいしかったよ」と声をかけてもらえると、本当にうれしいです。

新規就農を目指す方へのアドバイス

和歌山県は、農業を志す人へのサポートが本当に充実している地域。「やってみたい」という気持ちさえあれば、思いきりチャレンジできる環境が整っています。
農業は、手間をかけた分だけきちんと結果が返ってくる仕事で、無駄な作業がないところも魅力。今の仕事を辞めることに不安を感じる方もいるかもしれませんが、実際に踏み出してみると、意外となんとかなるものです。迷っているなら、一歩踏み出してみてほしいですね。

写真:大久保さんがイチゴを観察している様子2

今後の農業経営の目標

現在は、インスタグラムやLINEを活用したネット販売にも取り組んでいますが、今後はさらに規模を広げ、全国の方に届けていきたいと考えています。そのためにも、まずは安定しておいしいイチゴを作り続けることが大切ですね。将来的には、生産量を高めて手頃な価格で多くの人に楽しんでもらう一方で、手間ひまをかけた「鞠姫様」のような究極のブランドイチゴ作りにも挑戦してみたいです。