写真:濱野さん2

県内就農者紹介

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就農支援センター技術習得研修受講

出身地:和歌山県白浜町前職:飲食店経営

目標である法人化を達成。教育にも注力しています。

濵野さん

農業をはじめたきっかけは何ですか?

写真:濱野さんの作業風景2

一度京都で会社員として働いたのち、地元に帰って来て仕出しをしている実家の会社を継いで兄とともに10年程働いていました。
私は地方の仕出し業の伸びしろに疑問を感じており、別の事業で会社が発展できるものはないかと模索していました。そこで20代から興味があった農業を始めたいと思いました。仕出しのお弁当屋で食材として使っており身近にあったので。
しかし家族会議の結果、やはり農業は収入が不安定になることもあり、会社として農業をしていくのは厳しいという話になったので実家を出ました。そこから個人で農業を始めることを決意しました。
その際に、農業を始めて5年目には法人化して売り上げを2000万円にするという高い目標をもっており、絶対に叶えるという意識があったので、それほど不安というのはなかったです。

就農準備について

1年分の生活費として、だいたい300万円近くの資金を貯蓄していました。

農地の確保については、昔から農業をされている師匠と呼べる方に相談に行きました。その方が周りから「畑が幾つか空いたので借りないか」という話をもらっていたので紹介してもらうことができました。

農機具の準備には、トラクターなど最低限で中古でそろえようとしても300万円はかかると思います。最初は貯金と補助金を使いながら徐々に器具を揃えていきました。

就農する上で役に立ったサポート制度はありますか?

写真:濱野さんが話している様子

御坊にある就農支援センターに行って、技術習得研修を受けました。
「農業とは」というような基礎から、定植作業や収穫作業やトラクターの講習、ハウスの組み立て作業などを教えてもらえます。実際就農してからの大変さは体験せずに卒業となりますが、国の補助金などをもらうためにもこういった県の研修を受けたということが大切になってきます。
そこでは卒業計画として、就農してからの5か年計画を作成します。
県の有能な農家さんの収入一覧などを見ながら自分で計画を立てていきます。
どういう作物を作るにはどういう資材が必要で・・・というのを年表にして5年間書いていくんです。その時に自分が育てたい作物や収入目標を決めます。
制度としては、「農業次世代人材投資資金(経営開始型)」(旧:青年就農給付金)という国の補助金を申請しました。年間一人最大150万円給付してもらえるという内容だったので、それが非常に助かりました。

どうして法人化したんですか?

どの業種もそうですが、今後は人材の確保が大切になってきます。
法人化したのも、人材の確保をするにはやはり「社会保障」をきちんとつけて、労働環境を整えなければいけないと思ったから。
農業って身近にあるんですけど、ほとんどの方がどういう作業をしているか知らない世界なんです。そこで、新しく農業を始めたいという人の窓口を広げるためにも、社会保障を整えました。これが法人化した一番の理由です。

農業を目指す人を育てることについて

写真:遠藤さんと濱野さんの作業風景2

農業を拡大させるために、一番の問題となるのが、人手不足。それを解消するためにも、私は農業を始めたい人を「育てる」ことに力を入れています。
就農希望者を、研修生として受け入れるのは自分にとってもメリットがあります。今後は「自分一人でやっていくんだ」という意識で働いてくれているので、仕事の質が高く助かっています。
また、研修を受ける人にとっても、いきなり一人で農業を始めるよりも、農家で働きながら勉強した方が身になると思います。
例えば、1年うちで働いていると、一生懸命働く姿を見た周りの生産者の人等が、独立後も協力してくれますし、信用してくれるようになります。全くの無知からスタートするよりも、間違いなく失敗は少なくて、地域の人々の信頼が得られます。
信頼があるからこそ、自分一人で就農を始めたときに農地を借りることができたり、アドバイスをもらえたりと良いことばかりです。

新規就農を目指す方へのアドバイス

農業で生活するということは、やはりそれなりの覚悟が必要です。これで生計をしっかり立てるんだという意識で。
農業が好きという気持ちも大切ですが、楽しいことって少ないんです。特に、最初の1年2年は楽しいところが見えてこないことも多いので、それを我慢できるだけの覚悟がなかったら出来ないと思います。
ですが、手をかければかけるほど良いものはできます。自分が苦労して手をかけて育てれば最後は必ず成果として返ってきます。
ダメだと思っても引きずらずに、「次はこれをちゃんとしよう」という切り替えも必要。だからこそポジティブに取り組んで欲しいと思います。

写真:濱野さんの作業風景1

今後の農業経営の目標

地域の農園が集まって大きなグループになりたいです。雇用も生まれ地域も繁栄しますし、皆で栽培する体制が整えられると思います。